シルクロード、日本人なら誰一人知らない者はいない道、直接に関係はなくても,何となくその響きに惹かれる道-その地域を、やっと訪れることができた。私が小学生の頃より、冒険もの、スウェン=ヘディン、井上靖、司馬遼太郎、陳舜臣、後になってNHKの特集「シルクロード」等々が、イメージや映像を私の脳裏にどんどん焼き付けてくれていた。
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彼の道の歴史は長く、紀元前2世紀に前漢(中国では西漢という)の武帝が、張騫(ちょうけん)に命じて、西方の月氏と連絡を取らせようとした。これがきっかけで、後に西のローマとの通商路が開けたといわれている。このように彼の道は、インドから仏教を運び、中国の絹をヨーロッパに伝え、ペルシャの文物を中国、朝鮮半島経由で我が国に伝えたのである。そういう意味で、あえて誇大な表現をすれば、ローマと奈良がか細い糸でつながっていたことになる。何とも夢のある話ではないか。
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しかし、このシルクロードという語、実は起源は英語ではない。19世紀にドイツの地理学者でベルリン大学のリヒトホーフェンは、古代に中国から絹が運ばれたことから、”Seiden Strassen”(ザイデンシュトラッセン)と名付け、その英訳、日本語訳がシルクロード、絹の道なのである。なぜか日本ばかりで有名になってしまって、世界では、一般にはあまり知られていないという。
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いずれにしても、「シルクロードに行きたい!」という私の長年の想いに火をつけたのが、N新聞のKツーリスト「ウルムチ・トルファン・敦煌・西安・北京9日間」という広告だった。ことばが頭の中で踊った。ゆっくり考える暇もなく、申し込みをすませてしまった。
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