北アフリカのマグレブ三国の真ん中にあるアルジェリアは面積が日本の6.5倍もある国である その広大な国の7,8割が世界最大のサハラに占められるという砂漠の国である 地中海沿いの首都アルジェからアトラス山脈を越えて600kmほどステップ(乾燥草原)、砂漠を南下すると、サハラ最大のガルダイア・オアシスに出会う その辺り一帯をムザブ地方というが、ここは先住民族で戒律が最も保守的な「ムザブ人」が住んでいる 女性たちは頭から被った布から片目だけを出して歩いている(他の地域は両目を出す) ムザブの中心である通称「ガルダイア」は写真で分かる通りサハラの大きな窪地で、そこには5つの地区がある それぞれの地区はそれぞれ丘にあって頂上に向かって家々が競り合ってくっついて建てられてい そして頂上には写真のようなモスクのミナレット(尖塔)が空に向かって聳えている 一日5回のお祈りの時間になると、あちこちのミナレットからアッザーンが聞こえてくるのである 余談だが、ここの地の町づくりを絶賛したのは、フランス人の大建築家ル・コルビュジェであった ここは三度訪問したが、街中のスーク(市場)に並べられる遊牧民の手作り絨毯、肉や野菜・果物、生活必需品の露店に集まる人々は男性ばかりである このような広場の熱気といい、砂漠の陽光で赤銅色になった男たちのアラビア語の会話といい、ロバ、羊たちの鳴き声といい、それらを合わせた喧噪がはるばるこの地までやって来たという実感をもたらせてくれる ここでは日本人はまさにエトランジェ(異邦人)でしかない いずれにしても「旅人」には忘れがたい土地である |
サハラへの旅 アルジェリアの風景(3) 同(10) |
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Cultural
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