聖アナニア教会(シリア)
(パウロを救ったアナニアの家)
(上写真:地下礼拝堂)
ダマスカスは、『聖書』ではダマスコという地名で出てきます。サウロ(後のパウロ)ははじめ熱心なユダヤ教徒で、しかも最も戒律に厳しいパリサイ派の一人でした。彼はキリスト教徒を迫害するためにダマスカスにやってきました。それ以前にも彼はキリスト教徒の家に押し入っては信者たちを引きづり出して獄に渡し、教会を荒らし回っていました。しかし、パウロはダマスカスの近くで光に打たれ、目が見えなくなりました。そして、復活したイエスと出会います。 そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、食事をして元気を取り戻した。 このシーンが「目からうろこが落ちる」という言葉の語源だとされています。こうして、イエスの奇蹟を体験したパウロは、キリスト教の迫害者から180度転向し、信仰者へ、そして、布教者になったのでした。そして、パウロを回心に導いたアナニアの家はアナニア教会として残されました。 この項「ハシム世界史への旅」より転載 |