奈良の世界遺産 薬師寺 法相宗大本山
再建された大講堂
 薬師寺は魅力的な寺である 私見だが、日本で最もチャーミングな社寺建築の一つである 古くからある東塔(三重の塔・国宝)はあのフェノロサも感嘆したというほど素敵である 寺の創建時(約1300年前)より残っているのはこの塔だけだそうである

 この塔と対をなすのが西塔で、昭和56年の再建らしく雰囲気も新しい そして何といっても姿が美しいのが、国宝・日光・月光菩薩立像であり、国宝聖観音菩薩立像である しかし私が訪れた日には東京国立博物館の展示に貸し出されていた

 そしてこの写真の大講堂である これも下にあるように、けっこう新しい建物である それにも拘わらず、創建当時もこの様であったのであろうかとさえ思わせる 私が立ち寄ったのは、桜が終わろうとしていた時期であったが、だからこそこの写真のような境内の雰囲気を味わうことが出来たのである やはり薬師寺は魅力的である


昭和51年に金堂、同56年に西塔が落慶し、以後中門・回廊の再建工事と平行して大講堂の復元設計に着手。基本設計は西岡常一棟梁で金堂以来一貫した裳階付の薬師寺独自の様式です。大講堂は正面41m、奥行20m、高さは約17mあり伽藍最大の建造物です。大講堂が金堂より大きいのは古代伽藍の通則で、これは南都仏教が教学を重んじ講堂に大勢の学僧が参集して経典を講讃したためです。特に薬師寺では平安時代に入ると南京三会[なんきょうさんえ]の一つ最勝会[さいしょうえ]の道場となって、勅使[ちょくし]を迎えた法会が毎年盛大に営まれました。最勝会では持統天皇が持統6年(692)に天武天皇の菩提を弔うために奉安した高さ3丈(8,9m)、広さ2丈1尺8寸(6,5m)の阿弥陀浄土を写した大繍仏像が正面に祀られました。金堂の本尊薬師如来像が持統天皇の病気平癒の願いを込め天武天皇が発願されたのはよく知られるところで、いわば薬師寺白鳳伽藍は、天武・持統二代の天皇の夫婦愛が、それぞれ金堂と大講堂にこめられているのです。大講堂は現在の建築基準法に合わせ現代の技法を取り入れながら伝統工法による復元建築で、最大級の建物です。薬師寺白鳳伽藍の雄大さを象徴しています。
                        
(この項、薬師寺公式サイトより転載)


内部リンク:世界遺産・薬師寺2008(奈良県)

Yakushi-ji Temple, Nara, Japan, UNESCO World-Heritage

薬師寺公式サイト

 
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