日本人だけが「核・放射能の被害者」ではない 原爆を作ったアメリカの陸軍の兵士たちもネバダなどの核実験に参加し、そして被爆した 彼らは後に後遺症で苦しんだ 癌の割合も非常に高かった また水爆実験をしたビキニ環礁近辺の住民も強制立ち退きに始まって、放射線の被害者にもなった そのころ、日本の遠洋漁船も「死の灰」をあび、漁民が死んだ 「ヒロシマ・ナガサキ」の被爆者は長い間、米ABCCや国(当時の厚生省)の冷たい扱いと自らの体の不調の両方で苦しんだ それでも「被爆者健康手帳」を交付された人たちはまだ「幸せ」だった 「強制連行」等で日本に来ていて被爆した「在日韓国人・朝鮮人」たちには「手帳」は出なかった むかし「準日本人」だった彼らは、戦後にはすでに「外国人」になっていたのだ 後になって「原発」が世界に広がっていた頃、アメリカのスリーマイル島原発で重大な事故が起こり、住民が被爆した 現在でもその地の原子炉内には「広島型原爆」数百個分のストロンチウム、セシウムなどが残存するという それから十年もしない間に、旧ソ連のチェルノブイリ原発で爆発が起こり、ウクライナだけでなく、ヨーロッパまでが汚染された ずっと後になって起こった湾岸戦争や次のイラク戦争で多用された米軍の「劣化ウラン弾」は、米軍兵士や現地の幼児や子どもたちまでも被害をもたらした 極端に白血病が多いという しかも何代にも渡って後遺症が残ると言うから罪は深い そういうすべての「核・放射能の被害のシンボル」が広島原爆ドームであり、それはもはや日本人だけのためのものではない ナガサキの被爆のシンボルの文化遺産がないことでも明白であるし、他の実験場の跡も文化遺産とはなっていない ヒロシマ原爆ドームは「人間の愚行」の証明であり、人類の将来への警告である そのヒロシマ・ナガサキへの修学旅行や学校の社会見学が極端に減っている現状は一体何を意味するのだろうか? またヒロシマの千羽鶴に火をつけた某大学生や原爆慰霊碑に落書きをした「我が同胞」たちは自分が何をしたか分かっているのだろうか? 風化しつつある「平和・反核への願い」の行く末が気になる |