第十七日目(8/23)テイレム・ベンドTailem Bend(SA)出発 (曇り)
飛ばしまくった最終日!!
 今日は車を返す日だ。「何が何でも、16:30までには、メルボルンの営業所に帰らなければ。」という考えが、頭にある。08:07出発。慌てて出たので、気がついたら反対の方へ走っていた。往復30kmほどロス。もうケチがついた。フー、あかんな。

 しかし嬉しいことに、この辺になると、ほとんど携帯電話は通じる。旅の間中、携帯は大きな都市以外では、いつも「圏外」で使い物にならなかった。(オフロードに出かける人は、たいてい無線機を積んでいるのだ。)早速、妻はメルボルンのロバートに連絡する。「ワアもうそこか、速いなあ!」と驚いていたそうだ。

 今のペースでは、まだ2時間ほどゆとりがあると思って、Wail Nuseryという所に寄って、ラヴェンダーの苗を買ったりしていたら、アッという間に時間が過ぎた。
ホーシャムで、この旅でいちばん安い軽油を入れた。1リッター=58円だった。
アデレード-メルボルン間の快適な道(はるか右に対向車線がある)
Highway between Adelaide and Melbourne
  ところが、その後がいけなかった。どこかの町中の分岐点で道を間違ったのか、道路標識に知らない名
前の町ばかりが出てくる。時計を見ながら焦ってくる。そのまま30kmほど走って、小休止で路側に車を停めてコーヒーを飲んでいた。

 すると
一度通り過ぎた車が引き返して来て、足の悪いお爺さんが、降りてゆっくりとこちらへ来た。「大丈夫か?」と聞く。「?」と思っていると、「ハザードランプがついていたので・・」という。日本と違って、「ハザード」は本当に「危険の警告」の意味らしい。悪いことをした。謝ってお礼を言った。それにしても、この国の人はこういう場合、必ず声をかけてくれる。オーストラリア人が親切なのか、それとも今の日本人が薄情なのか?

 「迷った場合は、元に戻る」という原則通り、やっと一号線に戻ったが、一時間近くロスをしていた。ますます焦ってくる。「時間通りに帰れなかったら、もう一日分の料金を払うのだろうか?これは損するな。」と思った。まだ
250kmほどあるのに、残りが2時間半余りしかないのだ。ここから一層飛ばすことにした。

 妻に、「ずっと前をよく見て、青と白の車(パトカー)が遠くに見えたらすぐ言うように」と指示して、自分はバックミラーを頻繁に見ながら、ぶっ飛ばした。とにかく、抜ける車は、全部抜いた。

 その間に、妻は携帯でいちど営業所に連絡していた。そして、「少しくらいなら遅れてもいいですよ」−という答えをもらっていた。しかし「少し」がどれくらいか、分からない。こうして町中以外は走りまくって、午後4時20分、
あと10分!を残して(リミットは4時30分)、スタートのメルボルン営業所に突入した。滑り込みセーフであった。「やった!間に合った!。そして無事故だ!」
Wow ! Finally we've made it !
          
メルボルン遠望 Melbourne Central (FromPostCard)
 営業所の女性は笑いながら、「営業時間が過ぎでも、連絡さえしていただければ、ガードマンがオフィスで待ってますから、返すのが遅れても構わないんですよ。」と言った。「何?! 私の今日の苦労はいったい何だったのか?」 力が急に抜けた。

 妻は、「事故もなかったからいいんじゃないの。お疲れさま。」と言った。連絡で迎えに来たロバートは、「今日電話を受けてから、あの距離をまさかこの時間で帰ってくるとは!」と呆れていた。そしてこう言った。「
やっぱり、ケンジとは一緒にドライヴしたくないな。」 その後、妻はロバートと旅の話で盛り上がっていたが、 私はしばらく話す気力もなかった。こうして、私たちの長い旅は終わった。    
                          
           (本日の走行距離684km/day)

 
>>>>>>>オーストラリア・ドライブ全行程のデータ
Data of our drive